Think! Living Lab

新しい暮らし方、みんなで考えよう!

Think! Living Labは、
これからに求めたい暮らし、生活、住まいについて、
みんなで一緒に考え、取り組む活動です。

生活共創をコンセプトに関電不動産開発がお届けする
総戸数462戸の大規模マンションプロジェクト、始動。

まちライブラリー×AsMama×タスカジ
「みんなが輝く街を考える」
トークセッション
イベントリポート【前編】

日本初のコミュニティシェア型マンションに、
力強い3つの事業パートナーが加わりました。

かつて大阪千里山に団地が作られたのは1956年。
当時は時代の先端を行く集合住宅として一世を風靡したものですが、それから六十余年が過ぎた今、時代は大きく変遷して人々の暮らし方や住まいへの考え方も大きく変わりました。
私たちThink! Living Labが探求しているのは、そんな多様化する時代のニーズにフィットできる暮らしのあり方や住まいのカタチ。
そして今、「暮らしかた改革」という考え方を基調に開発を進めているのが、
関電不動産開発の(仮称)吹田市千里山プロジェクトです。
その大きな目玉となっているのが、「コミュニティ/シェア」をテーマとした生活・地域共創プロジェクトというわけです。

一般の方々や有識者の声に耳を傾け、
また、綿密な調査によって導き出された方向感は大きく2つ。

①共用部分を街に開放して地域と一体になったコミュニティの形成と、
 
②共働き世帯や子育て世帯の家事や子育て負担を軽減できるシェアリングサービスとの提携です。  

この新たな2つの考え方、コミュニティづくりとシェアリングの導入によって、
これからここに住む人のニーズに応えることができるだけでなく、未来に向けてさらに新しい価値を継続的に生み出すことが可能になります。

さて、この「コミュニティ/シェア」を具現化するために関電不動産開発と共に歩みを進めてくれるのは3つの事業パートナー。
今回のトークセッションには、それぞれの代表者にご登壇いただきました。
礒井氏が提唱する「まちライブラリー」は、全国に630以上も展開されている私設図書館。
本を軸に人と人をつなげる仕組みが世の中にどんどん広がっています。
このまちライブラリーが分譲マンションの共用部分に導入されます。
開発中の分譲マンションへの導入は日本初の試みです。
昔の家屋にあった縁側や近隣の空き地とか、人がつながる場所が失われてしまった昨今だからこそ、
近隣に開かれた“居場所“が求められるのだと礒井氏は言います。
また、こうしたいわゆるサードプレイスを自ら利用することで、同じ街に住んでいるのに今まで知り合えなかった人とつながり、
新たな自分を見出していくことができると考えています。  

甲田氏が率いるAsMamaは、子育てをシェアすることによって、住民みんなが暮らしやすいコミュニティを広げていこうというオンラインサービス。
いわゆるベビーシッターと大きく違うのは、知らない人に子供を預けるのではなく、顔見知り同士、低コストで助け合っていくというスタイルです。
子育てが得意な人と子育てを助けて欲しい人がつながることで、
お互いに「ありがとうの等価交換」ができるシステムが、当プロジェクトにも導入されるわけです。  

和田氏が代表を務めるタスカジは、「あなたにぴったりのハウスキーパーと出会える」ことで話題の家事代行マッチングサービス。
家事を助けて欲しい人と、家事が得意で余った時間を利用したいという人をインターネットで結びつける、
いわば家事版メルカリやヤフオクといったサービスです。
ひと昔前にはあった、家事や子育てを近隣で助け合おうというコミュニティが途絶えてしまった今、
これをインターネット上で再現したというものだということです。こちらも分譲マンションでの提携は日本初となります。  

この3つの事業パートナーの参画を得て、新しい何かが生まれようとしているわけですが、
近隣に開かれたコミュニティとシェアリングサービスが導入されたマンションは、現在のところ他には見たことがありません。
この新しいプロジェクトでこれからどういう未来が始まるのか、
新しい暮らしの創造に必要なものは何なのかを、みんなで考えカタチにしていく、
それが私たちThink! Living Labの役割です。          

昔はあった近隣同士の助け合いを取り戻す、
「人と人がつながる」が重要なキーワード。

3つの事業者の概要が紹介された後、いよいよトークセッションは本題へと向かっていきました。
ファシリテーターの八木アナウンサーが3人のパネラーに問いかけます。
「ひと昔前には当たり前であった隣近所同士での助け合いがいつの間にか失われ、
都会化が進む一方で人と人の接点がなくなると自分自身が自信を失っていくみたいな時代背景があるでしょうか?」
最初に応答した礒井氏には二つの思いがありました。みんなが自己主張ばかりするような社会ではうまくいかない。 お互いに顔が見える関係性が必要で、お互いに相手のことを認め合い、譲り合い、助け合うような世の中でありたい。
また、ビジネスやサービスが過ぎると、人は受動的になって退化してしまう。
だから、私たちはサービスを受ける側から、サービスに参加する側に回って行くことが大事だという考えです。
「今回のプロジェクトは挑戦的だし、難しい面もあります。
その取り組みがたとえば10年後、どのように進化したか、その報告会をするというのも大事なポイントだと思いますよ」
こんなことも付け加えられました。

当プロジェクトは、約1.9haの広大な敷地に展開される総戸数462戸の大規模分譲マンション。
そこに求められるのは、充実した設備や都会的な機能等だけではなく、人と人がつながり、
お互いの顔が見える関係性を育むような場づくりだということです。
今回導入される育児や家事のシェアも、人と人のつながりがあってこそ成り立つサービスですね。

子育てシェアのAsMamaには、甲田氏自らの経験が生かされています。
近所と仲良くなりたいなど思っていなかった人でも、子供が生まれると変わります。
働きながら保育園のお迎え、自分が高熱を出した時子供をどうしようか、何かあった時に頼れる人がいてくれたら……
そういう関係を意識するようになると言います。
「自分で近所との関係を作り出せる人ならいいけれども、そうじゃない人も多い。
AsMama認定サポーター、略称アズママさんは、いわばご近所のお節介役を買って出て、
人と人の関係作りをサポートする役割です」
初めて子育てをするお母さんは不安やストレスでいっぱいですが、
近隣には元保育士のお母さんとか、子供が大好きな子育てのベテランが必ずいる。
そんな人を頼ることで、困った状況から脱することが大事だと言います。

これからの家族の考え方を新たにしようと言うのは、
家事代行マッチングを行うタスカジの和田氏。
共働き、介護家族を抱えている、一人暮らしなど、家族の形が多様になってきている一方、
少ない人数で自分の家族をサポートしなくてはいけない。
そこで、タスカジやAsMamaのようなサービスを使って家族の形を見直していこうという流れができてきていると言います。
「地域の人とかママサポーター、タスカジ、保育士の先生、いろいろ含めて家族にしちゃおう。
一時的に自分の家族になってもらって、拡大家族みたいな概念で家族ととらえてみる。
家族を一つのチームと考える人が増えています」。
家族を回していけない現実があるなら、いろんな人の助けを借りて家族を運営していけばいい、
和田氏からはそんな提案がありました。