Think! Living Lab

新しい暮らし方、みんなで考えよう!

Think! Living Labは、
これからに求めたい暮らし、生活、住まいについて、
みんなで一緒に考え、取り組む活動です。

生活共創をコンセプトに関電不動産開発がお届けする
総戸数462戸の大規模マンションプロジェクト、始動。

KANDAIMeRISE × Think!LivingLab Future Meeting
「ちょっと未来の豊かな暮らし」
イベントリポート【中編】

多様化する価値観の時代だからこそ、
自らの意思で未来を創っていくことが大切。

今回のファシリテーターは、関西大学梅田キャンパスの財前英司氏。
KANDAI Me Riseのフューチャーミーティングとは、答えのないような社会の複雑な問題を解決するために、同じ組織の同じメンバーで議論するような従来的な方法ではなく、
世代や組織を越えて対話を行い、お互いに対話を通じて未来に向けた新たな関係性と新たなアイデアを創造していこうといくための場で、数々のイベントやセッションが行われています。
関電不動産開発からのキーワードを膨らませた「ちょっと未来の豊かな暮らし」というテーマについてみんなで考えようということでした。
「未来」とか「豊かな暮らし」とか、言葉が広すぎてとらえにくいテーマを、みんながより取り組みやすいように財前氏が解きほぐしていきました。
未来というと、専門家による未来予測的な情報をそのまま信じて不安に思ったりしてしまいがちですが、フューチャーミーティングでは「未来は一体どうなっていくのか」ではなく、自分ごととして「未来をどうしていくのか」という意思を持って考えていきたいということだと方向付けられました。  

また、価値観の多様化を示すいくつかの社会事例で気づきが与えられます。

①住民主体のマンション管理組合同士が、お互いに交流して資産価値を高めている。
②リビングで多くを過ごす「リビ充」が増えている。
③話題のシェアハウスが、おしゃれなデザイナーズ型や同じ志向を持った居住者が集まるコンセプト型に変化しつつある。
④キャンピングカーなどで定住しない暮らし方を選択している人がいる。
⑤20〜40代の働き盛り年齢から地方に移住する人が増えている。

こうした傾向は、住まい方において「空間にお金を払う」から「自分や家族の人生をより明るくする、自分の課題を解決するためのソフト面にお金を払う」という方向にシフトしてきている。
また、個人の自由を担保しつつも誰かとつながっていたいということもあるのでは、ということでした。
 

誰かによって予測された確率の高い未来(フォアキャスティング)にまっすぐ従ってしまう
「なりゆきの未来」ではなく、こういう未来を作りたい、豊かな暮らしをしたいという未来を描き、描いた未来から現在に戻って、
そのために今、何をするべきかを自ら考える(バックキャスティング)ことによって生み出す「意思ある未来」が大切なのではないか、というお話がとても参考になりました。
誰かが決めた未来ではなく、みなさんと一緒に考える「意思ある未来」を実現していきたいと、Think!LivingLabも考えるからです。

ちょっと未来の豊かさを発見したい、
ライフスタイル提案の蔦屋家電。

1人目のインスピレーショントークは株式会社蔦屋家電エンタープライズグループの伊藤謙一郎氏。
電機メーカー時代のキャリアを活かして二子玉川の蔦屋家電店の立ち上げに加わった方です。
蔦屋家電とは、ビデオレンタルで知られているTSUTAYAが作った大型家電店。
現在は二子玉川と広島の二店舗ですが、ライフスタイル提案が話題となっているお店です。
伊藤氏が所属しているのは蔦屋グループのカルチャー・コンビニエンス・クラブ(C.C.C.)という企画会社で、
Tポイントカードの企画運営を中心に、集積したデータベースを基に、書店、図書館、商業施設、家電という4つのプラットフォームを形にしてきたそうです。  

この事業展開から生まれた蔦屋家電は、これまでの家電店とは一線を画すようなライフスタイル提案が成功の鍵だといいます。
現状の家電は、価格が選択の基準になってしまっている。しかし本来の家電はライフスタイルの軸となるものなので、
モノ軸ではなくコト軸で選ばれるべき。そこで、ライフスタイルがちょっとハッピーになる、そんな発見の場となるようなお店作りを考えたと言います。
発見があるお店にするために行なったのが、蔦屋書店がノウハウを持っているブック&カフェの活用と、生活ジャンル別に分類された棚割。
そして家でくつろぐような居心地を提供できる空間づくり。さらにお客さんの相談からニーズを引き出して提案するコンシェルジュの配置。
独自調達商品やメーカー先行製品など、ここに来ないと手にできない品物を置くことにも注力しているといいます。
伊藤氏は蔦屋家電を3つのキーワードで語りました。  

①最新の家電がある「家電万博」
②アンティークな家電もある「家電博物館」
③デザインのいい家電がある「家電美術館」

ワクワクする発見がある家電店として生まれた蔦屋家電には、平日で2万人弱、週末で2万5千人のお客さんが来店するそうです。
とりわけ女性客が6割を占めるというのは、従来の家電店では考えられないことだそうです。
蔦屋家電の高い集客力は、音楽イベントのみならず、様々なメーカーや企業のイベントも呼び寄せます。
高級ホテルやマンションの家電一式を蔦屋家電としてプロデュースしているというのも、ならではのライフスタイル提案があるという証なのでしょう。

関西に住む人間としては、蔦屋家電という名を今回初めて聞いて、どうして蔦屋が家電を?最初はそう思ったのですが、お話を聞くと実にユニーク。
時代を少しだけ先取りしたやり方、自由自在に広がる個々人のニーズを「発見がある」というワードでひとくくりにし、
ライフスタイル提案に導いていくやり方は、顧客の立場から見てもありがたく、行ってみたいと思わされます。
まさに「ちょっと未来の豊かな暮らし」を発見したいなら、蔦屋家電を覗いてみるべきですね。