Think! Living Lab

新しい暮らし方、みんなで考えよう!

Think! Living Labは、
これからに求めたい暮らし、生活、住まいについて、
みんなで一緒に考え、取り組む活動です。

生活共創をコンセプトに関電不動産開発がお届けする
総戸数462戸の大規模マンションプロジェクト、始動。

「コモンズ」をご存知ですか?

次代の「コモンズ」あるいは「コモンスペース」の新しいカタチについて。

「コモンズ」とは、もともと共同利用される資源(共有地や放牧地など)を
個々が自由に利用しつつも誰か個人に利益が集約最大化されずに利用者全員に利益が最適に
分配されるように設けられた思想であり規範です。
どちらかというと経済的な側面が前面に押し出された考え方です。

一方日本では村落共同体等が土地を総有する入会(いりあい)という概念のもと
里山などを共有管理しつつ村落の「つながり」を大切にする発想です。
日本の入会地は、地区の特定集団によって所有・管理されているため、
誰でも自由に利用できる共用地を意味する「コモンズ」とはニュアンスが異なっています。
どちらかというと村落の共存を維持する側面が強いように思われます。

どちらも現在で言うところの「プライベート」と「パブリック」の間、
今風に言うと「私」でも「公」でもない「共」の場所、
利用者がある程度あいまいな関係にある「公」な場所であり仕組みであると言えます。

実はこのあいまいな関係にある「公」というのは日本人にはとても馴染みのある空間です。

ヨーロッパの街を歩いていると、プライベートな強固な住まいと、
市民が自由に集う広場や公園で構成されていて、
そのパブリックな空間で人々が集い自由にコミュニケーションを図っている姿を目にしますが、
一方、日本では、プライベートが曖昧で、家の外と内をつなぐ縁側や井戸で気心の知れた村人や
親戚がいつでも自由に出入りして井戸端会議を行っていました。
ヨーロッパのようにパブリックとプライバシーとを明確に分けて考えるのではなく、
住まいの一部を親しい人と使える空間とし、またみんなで利用する場所をプライベートの一部とし、
ゆるやかにふれあい交わり共有し合って、独特のコミュニティを育んで来ました。

こうした場所や空間を日本ではコモンスペースと位置づけ、
プライベートでもパブリックでもない第3の場所として機能しています。
例えば不動産に特化して一言で説明すると、
マンションなど集合住宅で「入居者が共同で使用することのできる私的な共有空間」となります。
いわば不特定の誰もが自由に使用することのない「私的な公共空間」で、
建物に組み込まれた共用空間や独立した共用施設が設けられて、
マンションなど集合住宅の入居者同士のコミュニティの中核に据えるようになりました。

ところがこの度のシエリアシティ千里山では、内側に閉じた共用施設ではなく、
その一部を周辺地域に開放するという画期的な取り組みを行います。
マンション敷地内のプライベートとパブリックを融合させる共用施設を地域に準開放して、
マンションというメタプライベートと地域というメタパブリックを交流させる
全国でも斬新な取り組みを行います。
その舞台となるのが「まちライブラリー」です。

ただ、地域のどなたにも開放されているとはいえ、
マンション内外の方々のふれあいを積極的に育んで、
みんなが安心して利用できる次世代型「コモンズ」発想のスペースにより、
かつてない豊かなコミュニティが形成されればと思います。